10月21日(木)上毛新聞(スポーツ・1面)にメモリード所属 土屋良輔選手の記事が掲載されました。
▼上毛新聞記事(以下引用)
原点回帰で爆発力
基礎体力鍛え世界の壁挑む
2018年平昌五輪代表で、男子1万メートル日本記録保持者の土屋良輔(メモリード、嬬恋高出身)は強い危機感を持つ。日本人で初めて12分台をマークした歴代最強ステイヤーながら、国際水準の高まりを肌で感じている。近年はスケート技術の進歩が速く、周回数の多い長距離は如実な差が出る。夏場は原点回帰して基礎体力を見直し、2大会出場へ気持ちを高めた。
昨季は1万メートルの国内最高記録を3度更新。コーナーワークの歩数を増やして滑りのテンポを高め、課題とした終盤のラップを押し上げられたレースもある。足運びの変化によって低姿勢の維持が難しくなったこともあり、まだ小さなミスが残るという。5000メートルも含めて伸び代はある。
「良く言えば安定してきたが、爆発できなかった」と悔しさも口にした。平昌1万メートルから引きずる課題。当時の日本記録の13分10秒31で10位にとどまった。世界の壁を感じ、「突き抜ける力」を欲した。
現在の日本記録12分55秒62は平昌当時ならメダル争いのレベルだが、「現在の上位に追い付いていない」と表情を崩さない。新型コロナの影響で日本勢は昨季のワールドカップ(W杯)など海外遠征を中止。生でライバルの滑りを感じられない焦りや国内で負けられない重圧に苦しみ、精神面も反省材料に挙げる。
今季は初心に戻り、1万メートルを滑りきるスタミナ、最後まで動ける筋持久力を夏場から意識。オフの自主練習は自転車でアップダウンのある山道を日に100キロ以上走った。ナショナルチームの陸上練習に余力を感じ、氷上練習も後半のラップで粘れるように。「効率の良い動きが身に付いてきた」と実感している。
東京五輪は趣味の自転車を観戦。母国で行われた頂上決戦を身近に感じ、「自分もこのレベルで戦っていかなければ」と力をもらった。自転車同様、スケート長距離の世界強豪も終盤の脚が強い。「コーナーの速いテンポが鍵。そこに追い付きメダルに食い込む。平昌から4年はあっという間だった。後悔のない終わり方をしたい」
土屋良輔選手についてくわしくはこちら>>
土屋良輔(つちやりょうすけ)
スピードスケート男子長距離/メモリード嬬恋高出身